STRRAY RIFT

映画・本・アニメ

啄木鳥探偵処 1話・2話 BL風味・懐古風味の作品かと思っていたが意外に背景はしっかり描いてあった。まだ探偵部分はいまひとつだが

■ 1話「ここちよい仕事」2話「魔窟の女」

△:BL風味でもなく懐古風味でもなく時代背景や美術など意外にしっかり描いていた点はよかった。石川啄木も美化されていない点もまぁ良かった。探偵部分はいまひとつなので、どちらかというと人物関係を見る作品か?

TVアニメ『啄木鳥探偵處』第1話「こころよい仕事」先行カット(C)2020伊井圭・東京創元社/「啄木鳥探偵處」製作委員会

TVアニメ『啄木鳥探偵處』第1話「こころよい仕事」先行カット(C)2020伊井圭・東京創元社/「啄木鳥探偵處」製作委員会

1話「こころよい仕事」

東京で一旗揚げようと、中学の先輩である金田一京助を頼り上京した天才歌人石川啄木は創作をそっちのけで酒と女にうつつを抜かし万年金欠状態。
そんな折、二人は殺人事件の第一発見者となる。被害者は荒川銅山の使用人の達吉。容疑をかけられた二人だが啄木の推理でその場を逃れる。見事な推理に京助は感心する。
その後、達吉の告発状と凶器が発見され、荒川銅山の大番頭の小栗が犯人として逮捕される。しかし、啄木は引っかかるものを感じ、再び推理を始める……

「啄木鳥探偵處」第2話先行カット(C)2020伊井圭・東京創元社/「啄木鳥探偵處」製作委員会

「啄木鳥探偵處」第2話先行カット(C)2020伊井圭・東京創元社/「啄木鳥探偵處」製作委員会

2話「魔窟の女」

警察が京助の部屋へ訪ねてきた。華ノ屋の女郎・お滝が殺されたというのだ。
啄木の「お滝の部屋で京助を見た」という証言から京助に殺人犯の疑いがかかってしまう。酔って帰宅した啄木を問いつめる京助だが、啄木は一向に取り合わない。
一方、京助はお滝の部屋に残されていた啄木のローマ字日記を根拠に、犯人は啄木かもしれないと疑い始める。果たして真実はどちらにあるのか?

 

<感想>

題名を聞いてまさかと思ってみてみたが、石川啄木が主人公らしい。
いや、この男は生活破綻者だからやめておいたほうが良いのではと本気で思った。もしかすると文豪なんとかの作品のように名前と雰囲気だけを借りて美化したキャラを登場させているとするとそれはそれで全く見る気はないが・・・

と視聴。
盟友の金田一京助より金を借りては飲みと買うに走っている点は描いてある。1話のラストでは下宿を追い出されそうになり、金田一に蔵書を全て売らせるまでになる。
それなりに生活破綻であるかのように描いてある。

第2話でも女郎屋の描写をきちんとやっていた点はよかったな。もう少し、当時の社会的な成り立ちや背景の雰囲気がでているともっとよかったが。

明治末期から大正期における東京の風景を比較的きちんと描いている点。
石川啄木役の浅沼晋太郎がよいね。良い櫻井である金田一京助もよかった。

この時期、石川啄木は小樽か函館に妻子を残しているのではなかったっけ?
その点は出さないのね?

エンディング曲もよいです。